【おすすめ絵本】「すてきな三にんぐみ」を読んで、自分もすてきになりたいなという話

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今回は「すてきな三にんぐみ」をご紹介。

すてきな三にんぐみ
作: トミー・アンゲラー
訳: 今江 祥智 出版社: 偕成社


この絵本をすすめる理由は、現役保育園児であるうちの上の子が「これ、いちばん好き!」と激押しだったから。

読んだことのある方は分かると思いますが、ブラックユーモアあふれる作品で、ヒトによってはあんまり好きじゃない人もいるかもしれません。
ただ、子どもだけじゃなく私も大好き。娘はなぜこの作品をこんなに好きなのか分かりませんが、6歳児を引きつける何かがあるのでしょう。

この絵本を知ったきっかけは、上の子が保育園から借りてきたことでした。
「絵本借りてきたよー!読んでー!」
「ふーん、どれどれ。。すてきな三にんぐみかぁ。何がすてきなんだ。なんかこいつらすてきそうじゃないけど。」

。。。読んでみたら、あらすてき。



ざっくりあらすじを紹介しますと、主人公は三にんぐみ。この三にんぐみは、盗賊なんです。
馬車を襲って金品をうばったり、けっこうごりごりの悪さをしています。
ある日、いつものように馬車を襲うと、馬車の中にはみなしごの女の子が一人だけ。
三にんぐみは女の子を自分たちの隠れ家につれて帰ります。これまで奪った宝の山をみた女の子が聞きます。これどうするの?


。。。どうしよう?三にんぐみは集めた金品の使い道を考えたことがなかったのです。
それから三にんぐみはたくさんの孤児を引き取っては育てるようになりました。
このあとの展開はお楽しみ。

盗賊が主人公という時点で教育によくないとするママパパもいるかもしれません。
深く考えると犯罪している時点でアウトですが、そういうの抜きにして読むと、最後はとてもほんわかするストーリーだと思っています。

フランスの絵本とのことで、日本ではあまり見ない独特の絵と色使いがスタイリッシュでなんともいいのです。
作品中の孤児の多さは、当時のフランスの社会情勢を皮肉っているのかもしれません。
「なんで子どもたち集めてるの?」「孤児ってなに?」、子どもたちから質問されますが、
丁寧に説明するとすこーしは理解できたよう。

まぁ、難しいこと抜きにして、「悪党の三にんぐみが、途中で改心して、子どもたちを助けまくる。やったぜ、ちゃんちゃん」でいいような気がします。実際、上の子も難しいことは理解できていませんが作品全体の雰囲気と、三にんぐみの憎めないキャラクターがお気に入りでした。

序盤に馬車を襲う道具として「コショウ吹き付け銃」のようなものがでてきます。これで、馬の視界を遮り、馬車を止めるのです。
「これ、何?」と純粋に聞いてくる子ども。親としても「これなに?」と笑いをこらえました。
ユーモアいっぱい。

三にんぐみのことを想像してみます。
本当に悪人ならば、孤児を引き取って育てたりしないのではないか。そもそもなぜ彼らは盗賊をしていたのでしょう?生まれながらにして、厳しい境遇のため小さい頃から三にんで生き延びるために悪事をしないといけなかったのかもしれないな。心はやさしいけど、盗賊するのが当たり前になっていて、盗賊は悪いこととそもそも思っていなかったのかもしれない。金品を目的もなくため込んでいたのも、その証拠かもしれません。自分たち自身が親と一緒にいる時間が短かったのかもしれない。その反動で、子どもたちへの優しさにつながっているのかもしれない。
いろいろ妄想します。。。
子どもがもう少し大きくなったら、またこの絵本をよんで子どもといろいろ考察してみたいなと思います。

この絵本から私も学ぶことがありました。
ひとつは自分の中では当たり前にやってること誰かにとっては良くないとされていることかもしれないということ。
だからどうする、ということはありませんが、女の子の存在は私たちにとっても重要だと思いました。つまり、他意のない指摘です。これは行動を良くするきっかけになります。
しかも、純粋な指摘に年齢は関係ありません。むしろ若いひとからの指摘ほど本質を突いているかもしれません。そんな指摘ほど、こちらとしては「うっ、痛いところ突かれた」ということがあります。そんなとき「なにも分からないやつが口出しするな、だまっとけ」ではなく、女の子を思い出して、自分の行動変容のきっかけにしたいものです。

堅いし長くなりましたが、すてきな三にんぐみ、おすすめだよという話でした。

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