本日は「なんでもモッテルさん」をご紹介
こちらは6歳のうちの子が図書館から見つけてきた一冊です
表紙のモッテルさん家族は、みんな目の下にクマがあってゾンビのような不健康な顔をしています
そんな表紙をみて、最初は「アダムスファミリー系のお話かな?」と思いましたが、全然ちがいました
作: 竹下 文子
絵: アヤ井 アキコ
出版社: あかね書房
「お金で買えない大切なものは何か?」ということを考えさせられる、あたたかーい絵本でした
なんでもモッテルさんはなんでももってる
カッテル・モッテルさんは、お金持ち
なんでも買って、なんでも持っています
モッテルさんの子どもたちもたくさん持っています
お人形やぬいぐるみ、自動車や汽車のおもちゃなどいっぱい
おかしも山ほど。欲しいと言えばいくらでも買ってもらえるのです
ところがある日、見たこともないような大嵐がやってきて何もかも吹き飛ばしてしまいます
心配した村の人たちが駆けつけてきて…
なんでもモッテルさんの見どころ
モッテルさん家族の顔に注目
モッテルさん家族はカッテル・モッテルさん、奥さんのマーダさん、子どものモットくんとテルルちゃん、そして犬のワンダです
ネーミングセンスが絶妙ですよね
モッテルさん家族はとても裕福で、欲しいものはすべて手に入っているのに楽しそうじゃありません
めっちゃケンカしています
みんなの顔は、表紙の後もずっと目の下にクマがあって不健康そう
大嵐でほとんどのものがなくなってしまった後、
村の人たちが駆けつけてくれた時のモッテルさん家族の顔に注目です
村の人たちの優しさにきょとんとしているよう
「え?なんでこんなに優しくしてくれるの?」と言っているように感じます
このページ以降、モッテルさん家族の顔から目の下のクマが消えて、顔色もよくなっています
その後の数ページがこの絵本のハイライト
モッテルさん家族の顔の変わりように注目です
めちゃくちゃみんないいお顔になって、こどもたちもめっちゃ楽しそう
表紙の顔と、最後のページの顔の違いが印象的です
大切なものはなにか、子どもと考える良いきっかけになる絵本です
絵やサイドストーリーにも注目
なんでももってるだけに、モッテルさんのお屋敷はみているだけでも面白いです。博物館や美術館な感じ
犬のワンダに注目すると、サイドストーリーが展開されていることに気付きます
ワンダにもほっこり
モッテルさんから考える
前提として、お金はめちゃくちゃ大事です
だけどお金があるだけではだめで、周りの人やモノたちを大切にすると幸せは激増するんだよ、ということが子どもに伝わればいいのかなと思います
ものが増え続ける我が家
スーパーに行ったとき、子どもに「お菓子買って~」とねだられると、必要じゃないのについつい買ってあげることが多いです
おもちゃも、似たような自動車のおもちゃやぬいぐるみなど、けっこう増えてきました
それが良いのか悪いのかは分かりませんが、少なくとも一つ一つのおもちゃを大切にしてほしいものです
今のところ、親が忘れたころに子どもたちが、「あの黄色い車は?」「あの人形どこいったかな~?」と言ってくることがあります。ですのでおもちゃ達は大切にされているということにして、ものが多少増えてもまぁいいか、と思うようにしています
今をどう感じるかは自分のテンション次第
また、この絵本を読んで、「今をどう感じるかは自分のテンション次第」だなと思いました
ものをたくさん持ってるお金もちが、みんなモッテルさんみたいに楽しくなさそうかというと、そうではないはず
結局は、「大切なものは何か」をきちんと見極めているかどうか、が生活の楽しさにつながってくるんだなと思います
子どもと過ごしているとき、「あの仕事やんなきゃな~」「できれば隙を狙ってちょっと仕事したい」など考えながら遊んでいると、まったく楽しくないし、子どもにもそれが伝わってしまいそうです
「どうせ遊ぶなら全力で自分も楽しもう!」というテンションで子どもと遊ぶと、めっちゃ楽しくなってきます
そして「子どもとの大切な時間」という感覚が増す気がするのです
子どもたちの顔
子どもたちの顔についても考えさせられました
子どもに対する親のテンションは、子どもたちのテンションも変えてしまうな、と感じています
つまり、親のテンションのせいで、子どもたちをこの絵本の表紙のような顔(=ゾンビ顔)にさせてはいけないな、と
絵本の最後のページのような、晴れやかなキラキラした顔をした子どもになってほしいなと
この絵本はそんなことを考えるきっかけにもなりました
まとめ あたたかい気持ちになるステキな絵本
「なんでもモッテルさん」は大人目線でもいろいろ考えさせる絵本でした
もちろん子どもは純粋に楽しめるのでオススメですよ
モッテルさんから何を感じたか、子どもとお話ししてみてはいかがでしょうか