「人は見かけによらない」ということを、どのようにして子どもたちに教えたらいいか、難しくないですか?
これまで私はそれをうまく子どもに伝えられずにいました。
そんななか、出会ったのが今回紹介する絵本、わるテリアとずるドッグ
とってもキャッチ―かつ可愛い絵で単純に楽しめるだけでなく、
教育的にも良い絵本だなと思いました
この絵本は「ほんとうにそうなのだろうか?」と疑問にもつことの大切さを教えてくれます
この絵本を子どもに読み聞かせてあげると、「人はみかけによらない」ことや、「疑問にもつことの大切さ」を伝えられると思います
わるテリアとずるドッグ:強面の2人組
わるテリアとずるドッグ
作・絵: あきやま ただし
出版社: ひかりのくに
作者はあきやまただしさん
かの有名な「はなかっぱ」の作者さんです
あきやまさんの絵本はたくさん出版されていて、うちの子はなかでも
「へんしんトンネル」などを代表とする「へんしん」シリーズや「たまごにいちゃん」シリーズ
が大好き
そんなあきやまさんの絵本作家デビュー30周年の記念作品が「わるテリアとずるドッグ」
「そうにちがいない」「いや、本当にそうなのだろうか?」をテーマにした絵本とのことです
見た目がものすごく怖いため、「わるテリア」「ずるドッグ」と呼ばれている2人組が主役です
こわくて子どもは逃げ出すほど。彼らの本当の名前は誰も知りません
めちゃくちゃ可哀そうなあだ名ですよね。どっちもひどいですが、特に「ずるドッグ」ってひどくないですか?
でも実はこの2人、とっても優しいしとっても面白いのです
なんとふたりは…
本当のふたりを知ったあとに、改めてふたりにつけられたあだ名を考えると、
可哀そうすぎてたまりません
ネタばれする前にぜひ一度読んでみてほしいです
わるテリアとずるドッグから学べること
「見た目が怖い人は中身もこわい」というイメージに疑問を投げかけてくれる絵本です
あきやまさんがテーマにしたように、「そうにちがいない」という固定観念を捨てて、「ほんとうにそうかなー?」と疑うことの大切さを子どもに伝えるきっかけになります
逆に、「見た目が優しい人は、みんな、中身も優しい」というわけじゃないことを伝えるいい機会だなと思います
昨今、子どもが事件に巻き込まれることも多い世の中
良からぬことを考えて子どもに近づいてくる大人はたいてい優しい仮面をかぶっているはず
甘い誘惑で誘ってくる優しい(ふりをしている)大人に対して、「ほんとかな?」と疑問を抱いてダッシュで逃げられるようになってほしいものです
わるテリアとずるドッグに声をかける子どもたちからも学べる
物語には仲良し2人組の子ども、ブータとけんじも出てきます
この二人が勇気をだしてわるテリアとずるドッグに声をかけるシーンがあります
勇気をだして声をかけたおかげでブータとけんじはわるテリアとずるドッグの素敵な一面をみることができました
個人的にはこのシーンが大好き
大人も学ぶことが多いなと感じます
例えば会社でも、勝手に悪い想像を膨らませて弱気になってしまい、チャレンジを躊躇してしまうような場面があるかと思います
そんなときに勇気をもって踏み出してみたら、「あら、意外と大丈夫だった!」といった経験はないでしょうか
一見、ハードルが高そうなことに対して、「難しそうだから自分にはムリ」といって諦めるのはもったいない
挑戦してみたら意外とできちゃって新しい世界が見えるかもしれないのに
と、作者のあきやまさんに言われてるような気がしました
まとめ:子どもと会話が増える良い絵本
わるテリア氏とずるドッグ氏は大切なことを教えてくれました
それは、良い意味で「疑ってかかる」ことです
日常の「当たり前」を疑ってみることで、大発見につながるかもしれません
子どもの想像力は無限大
いろんなことに疑問を持って、それを自分で解決できるようになってほしいなと思います
それと同時に、私自身も「人を見た目で判断してしまいそうな時」にわるテリア氏とずるドッグ氏を思い出して、自分を戒めたいなと思うわけです
この絵本を通じて「ほんとうにそう?」をキーワードに、お子さんといろんな話をしてみてはいかがでしょうか?